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は完全な形にしたものをもう一遍村へ返すわけです。
ところが、ここのところで、例えば波野村の事例が、先ほど井上先生がおっしゃったように経済効果とどうやって結びつけるかが入ってきたのです。波野というところはおそばの産地なんですね。国道54号線が通っているんですが、神楽をやった中江という集落は山のところにあるんです。1年半かかって完全復元して上演しました。私の劇場に8,000人のお客さんがおいでになりました。そして、6,000人が徹夜をするという騒ぎになりました。
これを記念して、波野村に「神楽苑」という1万坪の公園をつくることになった。ところが、つくる段階になって県のほうから、ここはおそばの産地だから、おそばも一緒に宣伝しよう。そのために場所は国道沿いにつくろうということになった。ところが、お神楽をやった中江の人は山の神社のわきへ造れと主張する。国道へつくられたのでは観光客が来ると、そっちに行ってやらなければならない、一日仕事になってしまう。自分の集落のところにつくってくれれば、仮に観光バスが入ってきても、あっ、来たなというので、だれか一人行って、一人舞うところをやっている間に次の人が来てみせられるだろう。だから、こっちへつくってくれと。ところが、県のほうは経済効果と絡み合わせて国道沿いがいいと。実際に今「道の駅」になっているんですが、そこのところで対立してしまったのです。その間に村役場が挾まってしまったのです、どっちつかずで。
最後には、もう予算が出ないぞというぎりぎりの限界まで来てしまったわけです、どっちを立てるかで。その村のために一生懸命やった、15人しかいなかったんですが、その人たちの努力を立てるか、産業開発を立てるかということで板挾みになってしまった。最後はもう私が出ないといけないというので行きまして、みんな来てくれ、県も来てください、村も来てくださいということになりまして、今晩中に決着をつけるぞといって、午後7時からテレビカメラが一斉に入りましたが、3時間お互いに言うだけ言いまして、結局、国道のところに苑をつくりまして、山の上の神社の横に1,000人がごらんになれる神楽殿をつくる決断を私がしました。これで折り合ってもらったわけです。
井上委員 今のお話を聞いていて、自治体というものを一つの村だけで狭く考えないで、もう少し広域的な視点というものが必要ではないかと思うんです。それと、文化・芸能を中心とした地域振興ですが、それだけにとどめないで相乗効果、ある一つのことをやって得た成果を次に生かしていく。その成果をまた次に生かしていく。地域振興では、そういう物の考え方が大事なわけです。
それと、先ほどの津田さんの映画の話と、今の熊本における鈴木さんの取り組みとの共通点は、やっぱり地域の情報を外部に向かって発信しているということだと思います。これは、今こういう時代ですから、例えば富山県山田村のようにパソコン通信を使うとかイ
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